せっかく内定をもらったのに、留年。こんなとき冷静でいられないのも当然です。
でも、まずは落ち着いてください。内定後に留年しても、企業によっては入社を待ってくれますし、次の就活で不利になることもありません。
▼留年が確定してしまった人がまず考えなければいけないこと
留年が決まった人】リスク回避の3STEP
留年するとなると「内定が取り消されるんじゃ…」と不安が募りますよね。けれど、悩んでいても解決しません。
まずは自分の現状を把握し、それに合わせて適切に行動しましょう。
- 内定は取り消されるとは限らない
- やるべきことは次の3STEP
- 留年は確定か、救済措置などはないか
- 「入社したいかどうか」、「卒業見込みがいつか」確かめる
- 企業への連絡はどうするか
学校で「留年は確定か」「救済措置がないか」確かめる
まずは落ち着いて現状確認
あわてて教授や内定先の企業に連絡する前に、「留年は確定かどうか」確かめましょう。ポイントは5点です。
- 正しく履修登録できていたか
- 成績発表を迎えているか
- 落とした単位は必修の科目か
- 卒業に必要な総単位数が足りているか
- 落とした単位の【学部・学科、担当教授名、講義名】
重要なのは、1の履修登録できていたかと、2の成績発表を迎えているかどうか。履修登録にミスがあったり、成績発表を迎えてしまったりした場合、教授や学校事務も学生を救済することが難しくなってしまいます。なるべく早く確認しましょう。
学校に救済措置がないか確認・交渉
留年が確定であれば、まず学校に救済措置がないか確認します。
1資格などが単位になる可能性も
学校によっては、TOEICなどの検定試験の結果や学部・学科に関係する資格を単位として認めることがあります。国公立・私立・通信制大学のいずれでも可能性があります。実際に教務課などへ行き尋ねてみましょう。
2挽回のチャンスをもらえないか交渉
実際に成績評価を決める教授に直談判してみるのも1つの手段です。再試験や追加レポート、課題提出〆切の延長など、挽回のチャンスがもらえるかもしれません。特に「成績発表の前」であれば取り合ってくれる可能性があります。
STEP2.内定先へ連絡する前に自分の状況・気持ちを確認
救済が受けられない場合、留年は確定です。内定をもらった企業になるべく早く連絡する必要があります。
内定は取り消されるとは限らない
企業側の対応は内定取り消しだけとは限りません。次のようなケースがあります。
主な内定取り消し以外の対応
- 卒業まで入社を待ってくれる(1年以内が多い)
- アルバイトなどで入社し、働きながら卒業を目指すことを認めてくれる
- 大学を中退して入社することを認めてくれる
ただし、対応には傾向があります。
公務員(大卒程度試験)の場合
国家公務員・地方公務員とも、免許や資格が必要な教員・社会福祉士などを志望しない限り、採用募集での条件は年齢制限(多くは30歳以下)のみ。募集要項では大学卒業が条件でないことが多いため、すぐに取り消されるとは考えにくいです。
ただし、自治体や職種によって募集要項・留年時の対応は変わります。必ず先方に確認しましょう。
一般企業の場合
一般企業では内定取り消しとなることが多いようです。しかし、会社の状況やあなたの意欲・能力によっては、入社時期をずらすなどの対応を取ってもらえるかもしれません。
このほか、内定は取り消されるものの「次年度の選考は最終面接のみ」などの優遇を受けられる可能性もあります。
自分の状況と照らし、「気持ちを確かめる」のが先
企業へ連絡する前に、あらかじめ伝える内容を決めておく必要があります。中でも押さえておくべきは「入社したいかどうか」「卒業できるかどうか、できるならいつか」の2つ。
内定は企業とあなたの互いの合意に基づくものです。企業に全ての判断を委ねるのはやめましょう。
入社したいかどうか、気持ちを確かめる
まず決めるべきなのは、入社したいかどうかです。
このとき、企業への義理や現状逃避などの一時の感情ではなく、長い目でみたキャリア・人生を優先して考えてください。保護者、教授、大学のキャリアカウンセラーなど信頼できる人に相談するのも良いでしょう。
卒業できるかどうか、できるならいつか確認する
「入社したい」と伝える場合には、卒業見込みに関しても確認しましょう。ポイントは4点です。
- 足りない単位の数は必修とそれ以外でそれぞれいくつか
- 単位の取得が可能かどうか(制度面・学力面…)
- 単位を取得するのにかかる時間はどれくらいか
- 学費面で問題がないか(奨学金はもらえなくなる)
中でも3の卒業に必要な時間は企業にとって重要な情報。学校の制度などと照らし、いつなら卒業できるか慎重に検討してください。制度面だけで判断が難しいなら、教科の担当教授と相談の上、期間を見積もりましょう。
企業への連絡の仕方(例文つき)
基本は「お詫び」の姿勢:直接伝えるのがベター
企業への連絡はできるだけ早く行いましょう。大切なことは、入社したいときも、内定を辞退するときも、基本は「お詫び」であること。また、約束を破ってしまっているので、メールなど文面で伝えるのは失礼です。なるべく電話などでアポイントを取り、直接謝罪を伝えましょう。
就職エージェントなどが仲介している場合は、企業より先にエージェントに連絡してください。企業への連絡をサポートしてもらえます。
電話では「内定に関する相談」として約束をつけます。連絡する時間帯は営業時間内の14時~17時がベストです。
ここで理由について聞かれた場合は、「卒業論文の提出ができず」「期末試験に不合格となってしまい」など事実のみを簡単に伝え、直接謝罪するときに詳細を説明しましょう。
詳細の伝え方は次の通りです。
<入社したい場合>
▼STEP1:留年の理由を伝える
お電話でもお伝えしたとおり、卒業が叶いませんでした。卒業研究の論証が不十分として、最後の最後まで教授に掛け合っていましたが、提出できなかったことが原因です。この度は私の努力不足で多大なご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
▼STEP2:入社意思を伝える
しかし、現在も御社で働きたいという気持ちは人一倍ございます。なぜなら…(志望理由を伝える)。
▼STEP3:卒業に必要な期間を伝える
現在教授と調整を続けており、このまま研究を進めれば1年で卒業できる予定です。
▼STEP4:入社機会を設けてもらえないか願い出る
どうか入社する機会をいただけませんでしょうか。
ここで具体的に「1年待ってほしい」「来年再挑戦させてほしい」と要望を伝えるのは身勝手に思われかねないため、好ましくありません。企業から質問を受けて初めて「許していただけるならば…」と伝えましょう。
<内定辞退する場合>
▼STEP1:留年の理由を伝える
お電話でもお伝えしたとおり、卒業が叶いませんでした。必修の民法の試験に合格できず、約4ヶ月前から準備を重ねてまいりましたが、私の努力不足によるものです。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
▼STEP2:内定を辞退したい旨を伝える
大変申し上げにくいのですが、家族やゼミの教授とも話し合った結果、内定辞退を決意しました。△△さんを始め、人事の方々には面接時から内定後のフォローまで大変お世話になったにもかかわらず、このような結果となってしまい誠に申し訳ございません。
企業から回答が来たら
入社したいと願い出た場合、人事側も社内でどんな対応をとるか相談する必要があるため、多くの場合、回答は後日となります。心もとないですが、じっと待ちましょう。
入社する機会がもらえるなら、卒業は絶対
入社許可は企業側の温情なので、二度目の留年は許されません。教授や学校の学生支援窓口と相談をした上で予定を立てましょう。内定先で働きながら卒業を目指す場合でも、卒業を最優先して行動してください。中退の場合は速やかに退学の手続きを取りましょう。
内定取り消しの場合
交渉の甲斐なく内定取り消しとなる可能性も十分あります。この場合は、なるべく早く次年度の就活を始めることが大切です
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